ツーバイフォー住宅は、木造住宅でありながら優れた耐火性能があります。
本来はコンクリートや鉄骨の建物以外、建設することができなかった防火地域ですが、2004年以降はツーバイフォー構造の建物が建設できるようになりました。防火地域とは、都市計画で指定される地域で、住宅密集地などで火災を防止するため特に厳しい建築制限が行なわれる地域のことです。
万が一、火災になったとしても周囲に燃え広がらず延焼しないのです。
ツーバイフォー住宅は、火の通り道となる床や壁の内側において、枠組材などがファイヤーストップ材となって空気の流れを遮断し、上階へ火が燃え広がるのをくい止めます。また床根太(構造材)、枠組材などが一定間隔で組まれている床や壁の内部構造は、防火区画がいくつもつくられているのと同じ状態です。
火災時に防火被覆(せっこうボード)が万一突破されても、2重3重の防火機能をもつ「ファイヤーストップ構造」によって、ツーバイフォー住宅は初期消火の可能性が高くなり、被害を最小限に抑えることができます。
参考資料:一般社団法人日本ツーバイフォー協会
石膏ボードによる耐火性能の向上
ツーバイフォー工法は天井や壁の内側全面に、厚さ12.5mm以上の石こうボードが貼られます。石こうボードの中には約21%の結晶水が含まれているので、炎があたると熱分解を起こして約20分もの間、水蒸気を放出するという火災に強い特性を持っています。
このため火災が発生しても、放出する水蒸気によって天井裏や壁の内部の温度上昇を抑制して、構造材の発火点(約450℃)到達を遅らせることができます。
また床・壁の内部に埋め込まれる断熱材も、火災時の熱が構造材に伝わりにくくし、石こうボードとともに木材の発火を遅らせます。これらの建材を使用することで、ツーバイフォー住宅の耐火性をさらに高めています。
実際の大火災実験による結果
3階建てのツーバイフォー住宅を実際に燃やすという大規模な実験があります。
結果、1時間以上の大火災で500℃に達するほど燃焼しても、構造躯体は崩壊しなかったどころから、3時間後に解体をしたところ焦げ目がまったくなかったことが実証されたのです。
▼実際の火災実験の詳細はこちらご覧ください。
▼かなう家の性能